メダカの飼育を始めたばかりの初心者の方が、次に考えるのは「水草をどこで買うか」という疑問ではないでしょうか。
メダカにとって水草は、隠れ家や産卵場所になるだけでなく、水質を安定させる大切な役割を担っています。しかし、いざ購入しようとすると、熱帯魚ショップが良いのか、それともコメリやカインズといった身近なホームセンターや100均でも十分なのか、迷ってしまうことも少なくありません。
また、Amazonや楽天などの通販にはおすすめの水草がたくさんありますが、値段の相場や品質がわからず、失敗や後悔を避けたいと考えるのは当然のことです。
この記事では、初心者向けに、屋外や屋内といった飼育環境に合わせたおすすめの水草や、定番のマツモをはじめとする丈夫な種類の選び方を解説します。
さらに、水草の育成に必要な照明の知識から、メダカの健康を守る無農薬の重要性、お得なセット販売の情報まで、購入前に知っておきたいポイントを網羅的にご紹介します。
- メダカの水草が買える場所ごとのメリット・デメリット
- 初心者でも失敗しない水草の選び方と注意点
- 屋外・屋内別のおすすめ水草の種類と特徴
- 水草の値段の相場と安く手に入れる方法
メダカの水草はどこで買う?店舗と通販を比較
この章では、メダカの水草を購入できる代表的な場所として、専門知識が豊富な熱帯魚ショップ、手軽さが魅力のホームセンターや100均、品揃えが豊富な通販サイトを比較検討し、それぞれのメリットやデメリット、値段の相場、そして初心者にも便利なセット販売の活用法について詳しく解説していきます。あなたの飼育スタイルや予算に合った最適な購入先を見つけるための参考にしてください。
熱帯魚ショップで購入するメリット

熱帯魚ショップで水草を購入する最大のメリットは、専門的な知識を持ったスタッフに相談できる点にあります。自分の飼育環境(水槽のサイズ、照明の有無、屋外か屋内かなど)を伝えれば、最適な水草を提案してもらえます。
また、水草の状態が非常に良いことも魅力の一つです。専門店ならではの適切な管理がされているため、健康で生き生きとした水草を手に入れられる可能性が高いと考えられます。スネール(害虫となる貝)などの混入リスクも比較的低く、安心して水槽に導入できるでしょう。
一方で、ホームセンターや通販と比較すると、価格がやや高めに設定されている傾向があります。また、店舗数が限られているため、お住まいの地域によってはアクセスしにくい点がデメリットになるかもしれません。
要するに、品質の高さと専門的なアドバイスを求める方にとって、熱帯魚ショップは最も信頼できる購入先と言えます。
コメリやカインズなどホームセンターや100均

コメリやカインズに代表されるホームセンターは、メダカの飼育用品を手軽に揃えられる便利な場所です。アクアリウムコーナーが設けられている店舗では、アナカリスやマツモといった定番の水草を比較的安価に入手できます。
ホームセンターのメリットと注意点
最大のメリットは、その手軽さと価格です。他の買い物のついでに立ち寄れるため、思い立った時にすぐ購入できます。
ただし、注意点もいくつか存在します。まず、専門店ではないため水草の種類は限られており、専門知識を持つスタッフが常駐しているとは限りません。また、水草の管理状態は店舗によって差が大きく、弱っていたり、枯れかかっていたりすることもあります。購入する際は、葉の色つやなどをよく確認することが大切です。
100均での購入について
100円ショップでも水草が販売されていることがありますが、その多くは観賞用の人工水草です。生の水草が置かれているケースは稀で、もし見つけたとしても育成状態にはあまり期待できない可能性があります。メダカの飼育環境を整えるという目的であれば、100均での購入は慎重に検討するのが賢明です。
Amazonや楽天など通販のおすすめポイント
Amazonや楽天をはじめとする通信販売は、水草を購入する上で非常に便利な選択肢です。最大の魅力は、その圧倒的な品揃えにあります。近所の店舗では見つからないような珍しい種類の水草も、通販なら簡単に見つけ出すことが可能です。
複数のショップの価格を一度に比較できるため、最もコストパフォーマンスの良い商品を選びやすいのも大きなメリットです。レビューや評価を参考にすれば、ショップの信頼性や水草の状態もある程度予測できます。
ただし、実物を見ずに購入するというデメリットも存在します。写真とイメージが異なったり、輸送中に水草が弱ってしまったりするリスクは避けられません。特に夏場や冬場は、輸送中の温度変化によるダメージに注意が必要です。また、送料が別途かかるため、少量の購入だと割高になることもあります。
これらの点を踏まえると、信頼できるショップを見極め、レビューをしっかり確認することが、通販で満足のいく買い物をするための鍵となります。
店舗ごとの値段の相場をチェック
水草の値段は、種類や購入場所によって大きく異なります。どこで買うか決める際の参考として、一般的な価格の相場を把握しておきましょう。以下は、代表的な水草の販売場所ごとの大まかな価格帯をまとめた表です。
購入場所 | マツモ(5本) | アナカリス(5本) | ウィローモス(1カップ) |
熱帯魚ショップ | 300円~600円 | 300円~600円 | 500円~1,000円 |
---|---|---|---|
ホームセンター | 200円~500円 | 200円~500円 | 400円~800円 |
通販サイト | 200円~800円 | 200円~800円 | 300円~1,200円 |
※上記はあくまで目安であり、季節やショップ、品質によって価格は変動します。
表を見ると、ホームセンターが比較的安価な傾向にあり、熱帯魚ショップは品質が安定している分、少し高めの価格設定です。通販サイトは価格の幅が最も広いですが、セールなどを利用すれば安く手に入れられる可能性があります。ただし、通販の場合は別途送料がかかる点を忘れないようにしましょう。
手軽に始められるセット販売の魅力

特にメダカ飼育を始めたばかりの方にとって、どの水草を選べば良いか迷うことはよくあります。そんな時に便利なのが、数種類の水草が一緒になったセット販売です。
セット販売の最大のメリットは、相性の良い水草や定番の種類がバランス良く組み合わされている点です。例えば、「初心者向け水草セット」や「メダカの産卵床セット」といった形で販売されており、選ぶ手間が省け、届いてすぐにレイアウトを楽しめます。
また、個別に購入するよりも価格が割安に設定されていることが多く、コストを抑えたい方にもおすすめです。通販サイトでよく見かける販売形態ですが、店舗によっては独自のセットを用意している場合もあります。
一方で、自分の好みの種類だけを選ぶことはできないという側面もあります。しかし、これを機に今まで知らなかった水草の魅力を発見できるかもしれません。したがって、手軽に水草を導入したい初心者の方にとって、セット販売は非常に魅力的な選択肢と考えられます。
メダカの水草はどこで買う?失敗しない選び方
水草の購入場所が決まったら、次は実際にどの水草を選ぶかが重要になります。この章では、メダカ飼育が初めての方でも失敗しにくい「初心者向けおすすめ水草の選び方」から、具体的な種類として定番の「マツモ」の魅力、そして「屋外と屋内」それぞれの飼育環境に適した水草の特性について掘り下げていきます。
初心者向けおすすめ水草の選び方

初心者がメダカ用の水草を選ぶ際に失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。見た目の美しさだけで選んでしまうと、育成が難しくすぐに枯らしてしまう可能性があります。
まず第一に、「丈夫で育てやすい」種類を選ぶことが基本です。具体的には、二酸化炭素(CO2)の添加が不要で、幅広い水質や水温に対応できるものが適しています。また、成長が速い水草は、水中の余分な栄養分を吸収して水をきれいにする能力が高いため、水質維持の面でもメリットがあります。
次に、メダカとの相性を考えることも忘れてはなりません。葉が柔らかく、密度が高い水草は、メダカが隠れたり、卵を産み付けたりするのに最適です。
これらの条件を満たす代表的な水草には、後述するマツモやアナカリス、ウィローモスなどが挙げられます。まずはこれらの定番種から始めて、育成に慣れてきたら他の種類に挑戦してみるのが良いでしょう。
丈夫で育てやすい定番のマツモ
マツモは「金魚藻」としても知られ、昔からアクアリウムで親しまれている非常にポピュラーな水草です。初心者からベテランまで幅広く愛される理由は、その驚くべき生命力とメダカ飼育における多くのメリットにあります。
マツモのメリット
マツモの最大の特長は、育成が非常に簡単な点です。根を張らない浮遊性の水草であるため、底砂に植える必要がなく、水槽に浮かべておくだけで元気に育ちます。CO2の添加や強い照明も必要とせず、日当たりの良い窓際に置いた容器でも十分に成長します。
成長スピードが非常に速いため、水中の硝酸塩など富栄養化の原因となる物質を効率良く吸収し、水質浄化に大きく貢献します。また、フサフサとした柔らかい葉は、メダカの稚魚の良い隠れ家になるだけでなく、成魚が卵を産み付けるための絶好の産卵床となります。
注意点
一方で、成長が速すぎるために、定期的なトリミング(間引き)が必要になります。放置すると水面を覆い尽くし、水槽内が暗くなってしまうことがあります。また、環境が合わないと葉がバラバラと抜け落ちやすいという性質もあるため、水換えの際などは優しく扱うことが求められます。
屋外と屋内の飼育環境に合う種類
メダカを屋外で飼育するのか、屋内で飼育するのかによって、適した水草の種類は異なります。それぞれの環境の特性を理解し、それに合った水草を選ぶことが、元気に育てるための鍵となります。
屋外飼育におすすめの水草
屋外の睡蓮鉢やトロ舟での飼育は、太陽光を直接浴びるため、光を好む水草に適しています。また、季節による水温の変化にも強い種類が求められます。
- ホテイアオイ(ホテイ草): 水面に浮かぶ浮草で、強い太陽光を好み、夏場によく増えます。根がメダカの隠れ家や産卵床になりますが、冬には枯れてしまうことが多い一年草です。
- マツモ・アナカリス: 前述の通り非常に丈夫で、屋外の環境にもよく適応します。冬でも枯れずに越冬することが可能です。
屋内飼育におすすめの水草
屋内の水槽飼育では、太陽光が直接当たらないため、比較的弱い光でも育つ種類が向いています。
- ウィローモス: 流木や石に活着させて使うコケの仲間です。薄暗い環境でも育てやすく、エビの隠れ家や餌場としても人気があります。
- アヌビアス・ナナ: 非常に丈夫で成長が緩やかなため、頻繁な手入れを必要としません。葉が硬く、レイアウトのアクセントとしても使いやすいです。
- ミクロソリウム: こちらも流木などに活着させるシダの仲間で、CO2添加なし・弱い光でも育てやすい種類です。
メダカが喜ぶ無農薬の水草を選ぼう
ショップで購入した水草を水槽に入れる際には、一つ注意すべき点があります。それは「残留農薬」の存在です。水草は海外のファームで栽培されることが多く、その際に害虫駆除のために農薬が使用されている場合があります。
この残留農薬は、魚であるメダカには比較的影響が少ないこともありますが、同じ水槽で飼育することの多いミナミヌマエビやヤマトヌマエビといったエビ類にとっては、微量でも命に関わる危険な物質です。エビが農薬の残った水草を食べると、死んでしまう可能性があります。
そのため、水草を購入する際は「無農薬」や「シュリンプ(エビ)水槽にも安心」といった表記のあるものを選ぶのが最も安全な方法です。もし無農薬かどうかわからない水草を購入した場合は、すぐに水槽に入れず、別の容器で数日間から1週間ほど毎日水を換えながら様子を見る「トリートメント」を行うことを強く推奨します。市販されている「水草その前に」といった残留農薬除去剤を使用するのも効果的な対策と考えられます。
きれいに育てるために照明は必要?
水草が元気に育つためには、光合成が不可欠です。そのため、特に屋内の水槽で水草を育てる場合、照明器具はほぼ必須のアイテムとなります。
屋外飼育の場合は、太陽光が十分な光源となるため、基本的に追加の照明は必要ありません。しかし、屋内では窓からの自然光だけでは光量が不足しがちです。光が足りないと、水草は元気がなくなり、黄色く変色したり、間延びしたようにひょろひょろと育ったり、最悪の場合は枯れてしまいます。
水草育成用のLEDライトは、比較的安価なものから高機能なものまで様々な種類が販売されています。初心者の方は、まず水槽のサイズに合った基本的なLEDライトから始めると良いでしょう。
照明時間は、1日8時間程度が目安です。長すぎるとコケの大量発生の原因になり、短すぎると水草が成長できません。タイマーを使って毎日同じ時間に点灯・消灯を繰り返すことで、規則的な環境を作り出し、水草の健全な成長を促すことができます。
結論!メダカの水草はどこで買うのが良いか
この記事では、メダカの水草をどこで買うかという疑問に答えるため、様々な購入場所の比較から、初心者向けの選び方、おすすめの種類まで詳しく解説してきました。
最終的にどこで買うのが最適かは、あなたの目的や重視するポイントによって異なります。例えば、専門的なアドバイスを求めるなら熱帯魚ショップ、手軽さと安さを優先するならコメリなどのホームセンター、豊富な種類から選びたいならAmazonや楽天といった通販がおすすめです。
購入場所を決めたら、次は水草選びです。特に初心者の方は、丈夫で育成が簡単なマツモのような種類から始め、飼育環境が屋外か屋内かを考慮して選ぶことが失敗しないコツです。また、メダカや同居する生き物のために、無農薬であるかを確認することも忘れてはなりません。屋内飼育では照明の準備も大切です。
この記事で解説したポイントをまとめると、以下のようになります。
- 購入場所の選択: 専門性なら熱帯魚ショップ、手軽さならホームセンター、品揃えなら通販と、目的に合わせて選ぶ
- 初心者向けの選び方: CO2不要で丈夫なマツモやアナカリスなど、定番の種類から始める
- 環境に合わせる: 屋外ならホテイアオイ、屋内ならウィローモスなど、飼育場所に合った種類を選ぶ
- 安全性の確認: エビなどを同居させる場合は、残留農薬のリスクを避けるため「無農薬」表記のあるものを選ぶ
- 育成環境の準備: 屋内飼育では水草用の照明を用意し、1日8時間程度照射する
これらの情報を参考に、あなたのメダカにとって最高の水草を見つけ、より豊かなアクアリウムライフを楽しんでください。