アナカリス(オオカナダモ)を水槽に入れたものの、アナカリスの根っこが期待通りに生えてこない、または伸びすぎてしまうと悩んでいる方は少なくありません。
結論からいうと、アナカリスの根は主に茎の節から生え、底床に固着する役割を持ちますが、必ずしも根がなくても育成は可能です。しかし、根をしっかり張らせることで、より健康に、そしてレイアウトしやすくなります。アナカリスは栄養吸収を根と葉どっちからも行いますが、特に底床に植えた場合は根からの吸収も活発になります。
また、水槽に入れておくと、アナカリスが溶けるケースがあります、これも根が出ない原因と共通することが多いです。
この記事では、アナカリスが根を出して元気に育てるための方法や、根が伸びすぎた場合の対処法、根や茎が伸びたときのトリミングの疑問にお答えしていきます。
- アナカリスが根を出す条件と出ない時の原因
- 根の役割と栄養吸収の仕組み
- 根が伸びすぎた場合や切る際の適切な対処法
- 根腐れや溶けるといったトラブルの予防と対策
アナカリスの根っこの基本と役割

この章では、アナカリスの根がどのような役割を持つのか、また根が生えてこない場合にはどうすればよいのかについて解説します。
アナカリスは浮かべる植えるどっち?
アナカリスは、水槽に浮かべておくだけでも育成が可能な、非常に丈夫な水草です。水中に浮かべた状態でも、葉や茎から水中の養分を吸収して成長できます。
ただし、より安定させて育てたい場合や、レイアウトの一部として特定の位置に固定したい場合は、底床に植える(沈める)ことをお勧めします。アナカリスは本来、茎の節から根を出し、底床に根を張ることで体を固定します。
データベースの情報によれば、浮いたままの状態では根を伸ばさないこともあるため、根を出させてしっかりと定着させるには、重りをつけるか、底床に軽く植え込むのが基本的な扱い方となります。
メダカや金魚の産卵床として使う場合は浮かべておくだけでも機能しますが、水質浄化やレイアウトを考えるならば、植える方がメリットが多いと考えられます。
栄養吸収は根と葉どっち?
アナカリスは、根と葉の両方から栄養を吸収できる能力を持っています。これは、アナカリスが環境に適応しやすい理由の一つです。
水中に溶け込んでいる養分(魚のフンや餌の残りなどが分解されたもの)は、主に葉の表面から吸収されます。一方で、底床に植えた場合、茎から出た根を底床材(ソイルや砂利)に伸ばし、底床内の栄養分も吸収します。
データベースの情報によると、葉と根の両方からほぼ同じくらいの栄養を吸収できると推定されており、これにより他の水草よりも高い水質浄化能力を持つとされています。したがって、栄養吸収は根と葉どっちか一方というわけではなく、両方を効率よく使って成長していると言えます。
根が出る時間の目安
アナカリスを新しく水槽に導入したり、トリミングして植え直したりした後、根が出るまでの時間には目安があります。
水槽の環境(水温、水質、光量、栄養状態)が適切であれば、比較的早く反応を示します。データベースには「2週間もすれば完全に根付く」という記述があります。これは、植え込んでから底床にしっかりと根が張るまでの期間と考えられます。
実際には、植え付け後、数日から1週間程度で茎の節から白いひげのような根(水中根)が出始めることが多いです。この根が徐々に伸びて底床に潜り込み、体を固定するようになります。もし2週間以上経過しても根が出る気配がない場合は、後述するような原因が潜んでいるかもしれません。
根っこが出ない原因とは
アナカリスから期待通りに根っこが出ない場合、いくつかの原因が考えられます。
まず、最も一般的なのは栄養不足です。特に水槽を立ち上げたばかりの時期は、水中にアナカリスが吸収できる栄養分(窒素やリンなど)が不足していることがあります。
次に、光量不足も原因となります。アナカリスは比較的少ない光でも育ちますが、光合成が十分に行えないほどの暗い環境では、成長が停滞し、根を出すエネルギーも不足しがちです。
他にも、急激な環境の変化が挙げられます。購入してきたショップと自宅の水槽の水質や水温が大きく異なると、アナカリスがストレスを感じ、一時的に成長を止めてしまうことがあります。
また、植え方が適切でない場合もあります。例えば、底床に浅く植えすぎていると、すぐに抜けてしまい根付くことができません。
アナカリスの健康状態の見分け方
アナカリスの健康状態は、葉や茎の色、そして根の状態を観察することで見分けることができます。
健康なアナカリスは、透明感のある鮮やかな緑色をしています。葉が密についており、茎もしっかりとしています。根が出ている場合は、白くきれいな根を伸ばします。
逆に、健康状態が良くないサインとしては、以下のような点が挙げられます。
- 葉の色が薄くなる、または白っぽくなる(光量不足や栄養不足の可能性)
- 葉や茎が茶色っぽくなる、または溶け始める(栄養不足、高水温、水質悪化など)
- 茎が細く間延びする(光量不足)
- コケが大量に付着する(水中の栄養過多や生体バランスの崩れ)
- 根が黒ずんでいる(底床環境の悪化や根腐れの可能性)
これらのサインを見逃さず、早めに対処することが健康維持の鍵となります。

アナカリスの根っこのトラブル対処法

この章では、アナカリスの根が伸びすぎた場合の管理方法や、トリミングの際の注意点、さらには根腐れや溶けるといった深刻なトラブルの原因と具体的な対処法について詳しく解説します。
根が伸びすぎた場合の対処法
アナカリスは成長が非常に速いため、根も茎と同様に旺盛に伸びることがあります。特に底床に植えている場合、根が底床全体に広がることがあります。
根が伸びすぎること自体は、アナカリスが健康である証拠でもあり、特に大きな問題はありません。しかし、底床から根がはみ出して見栄えが悪くなったり、他の水草の領域に侵入したりすることがあります。
このような場合、対処法としてはトリミング(カット)が基本となります。底床からはみ出した見苦しい根は、ハサミでカットしても構いません。また、アナカリス自体が伸びすぎてレイアウトを崩している場合は、一度引き抜き、茎を適度な長さにカットして植え直す(差し戻し)作業を行います。このとき、古い根や長すぎる根も一緒に整理すると良いでしょう。
トリミングで切る場所のコツ
アナカリスのトリミングは非常に簡単で、基本的にはどこで切っても問題ありません。アナカリスは茎の節がある部分であれば、どこからでも脇芽を出したり、根を生やしたりする強い生命力を持っています。
トリミングで切る場所のコツとしては、レイアウト全体のバランスを見ながら、好みの長さでカットすることです。カットした上部(先端側)は、そのまま新しい株として底床に植え込むことができます(これを「差し戻し」と呼びます)。
カットする際は、できるだけ節の少し下あたりを切ると、植え直す際に底床に差し込みやすくなります。残った下部の茎からも新しい芽(脇芽)が伸びてくるため、ボリュームを増やすことも可能です。ハサミは、水草専用の切れ味の良いものを使うと、茎を潰さずにきれいにカットできます。
根や茎は切っていいのか
前述の通り、アナカリスは非常に丈夫なため、根や茎は基本的に切っていい水草です。
伸びすぎた茎を好みの長さでカットすることは、レイアウト維持のために頻繁に行われる作業です。茎の途中から生えてきた白いひげ状の根(水中根)が見栄えが悪いと感じる場合、これもカットしてしまって問題ありません。
ただし、注意点もあります。頻繁にカットしすぎると、一時的に成長が鈍ることがあります。また、カットした破片が水槽内に残ると、それが別の場所で根付いたり、フィルターに詰まったりする可能性があるため、カットした部分はできるだけ網などですくい取るようにしてください。
特に、アナカリスは日本の生態系に影響を与える外来種でもあるため、トリミングした破片を絶対に屋外の河川や水路に流さないよう、厳重に管理する必要があります。
アナカリスが溶ける原因
アナカリスが枯れる際、葉や茎がドロドロに溶けるように見えることがあります。この「溶ける」現象には、いくつかの原因が考えられます。
最も多い原因は、急激な環境の変化です。購入したばかりのアナカリスを水槽に入れた直後に溶け始める場合、水温や水質(pHなど)の違いに適応できず、ストレスを受けている可能性が高いです。
また、栄養不足や光量不足も溶ける原因となります。アナカリスは丈夫ですが、成長に必要な最低限の栄養や光が得られない状態が続くと、徐々に弱って溶けてしまいます。
さらに、高水温も大敵です。データベースの情報では適応水温は13〜30℃と広いですが、特に夏場の高水温(30℃以上が続く状態)はアナカリスにとって大きなダメージとなり、溶ける原因になります。
他にも、薬剤の影響(魚病薬など)や、水質が極端に酸性に傾いている場合、あるいは底床に植えた際にロックウールが残っており、それが腐敗した場合なども原因となり得ます。
根腐れの対処法はあるか
アナカリスで「根腐れ」という言葉が使われることは少ないですが、植え込んだ茎の下部や根が黒ずんで腐敗し、溶けてしまう現象は起こり得ます。
主な原因は、底床環境の悪化です。特に大磯砂などを長期間使用していると、砂の間に汚れ(魚のフンや枯れた水草の破片など)が蓄積し、水通しが悪くなることがあります。この状態を「底床が詰まる」と言い、酸素が供給されにくくなることで嫌気性の環境が生まれ、根が腐敗しやすくなります。
対処法としては、底床の掃除が有効です。該当するアナカリスを一度引き抜き、底床クリーナーなどを使って底床の汚れを取り除いてから、再度植え直す方法があります。
また、植え直す際には、腐敗して黒ずんだり溶けたりしている茎や根の部分は、清潔なハサミで思い切ってカットし、健康な緑色の部分だけを植えるようにしてください。
アナカリスの根っこを理解しよう
この記事では、アナカリスの根っこに関する様々な疑問について解説してきました。
アナカリスは、浮かべるか植えるかどっちでも育ちますが、根を出させて安定させるには植える方が適しています。栄養吸収は根と葉どっちからも行うため、水質浄化能力も高いです。根が出る時間の目安は環境によりますが、数日から2週間ほどです。
もし根っこが出ない原因を探しているなら、栄養や光量の不足、環境の急変を疑ってみてください。健康状態の見分け方としては、葉の色や茎の様子、根が白く清潔かを観察します。
水槽内で根が伸びすぎた場合の対処法はトリミングが基本です。根や茎は切っていいのか心配になるかもしれませんが、適切な切る場所(節の少し下など)でカットすれば問題なく再生します。
ただし、アナカリスが溶ける症状や、底床の詰まりによる根腐れには注意が必要です。これらのトラブルには、水温管理や底床掃除といった対処法が求められます。
アナカリスの根の特性を理解することで、日々の管理がより容易になります。
- アナカリスは浮かべるより植える(沈める)方が根が出やすい
- 根と葉の両方から栄養を吸収する
- 根が出ない原因は栄養不足、光量不足、環境変化など
- 伸びすぎた根や茎はカットして(差し戻して)管理できる
- 高水温や底床の汚れは、溶ける・根腐れの原因になるため注意
これらのポイントを踏まえ、アナカリスの育成を楽しんでください。


