アナカリスの育て方について、水槽に植えたほうがいいのか?浮かべるだけでいいのか?で悩んでいませんか。アナカリスは非常に丈夫で、基本的には浮かべるだけでも育成が可能です。しかし、手軽な反面、なぜか枯れる、あるいは溶けるといった問題に直面することもあります。
この記事では、アナカリスの基本的な育て方のコツから、浮かべる育成法に焦点を当てて詳しく解説します。アナカリスが溶ける理由や、育成に必要な日光、適切な水温、ビオトープでの冬越しの方法まで触れていきます。
メダカや金魚水槽では、アナカリスの光合成による酸素供給の効果や、水の浄化効果でコケ防止も期待できます。その一方で、浮かべたときに根が出ない、水流ですぐに浮いてくる、といった悩みも耳にします。
このような疑問にもお答えしていきます。この記事を読めば、アナカリスを浮かべて育てる際の疑問が解決し、より健康に水草を管理できるようになります。
- アナカリスを浮かべる方法と植える方法の違い
- 浮かべる育成がメダカや金魚水槽にもたらす効果
- アナカリスが溶ける原因と具体的な対策
- 浮いてくるときの対処法やおもりの選び方
アナカリスを浮かべる育成法とは?

この章では、アナカリスを浮かべる方法の基本として、具体的な育て方のコツや植える場合との違い、活着はできるのか、さらには育成に欠かせない日光や水温の条件について詳しく解説します。
アナカリスの基本的な育て方とコツ
アナカリス(オオカナダモ)は、その強健さからアクアリウム初心者にも非常に人気のある水草です。基本的な育て方として、まず水質への適応範囲が広い点が挙げられます。中性から弱アルカリ性の水質を好みますが、多少の変動には耐えることができます。
育成のコツとして、二酸化炭素(CO2)の添加は特に必要ありません。水槽用の照明があれば育ちますが、強い光量も必須ではなく、比較的低光量でも維持することが可能です。
成長が早いため、水槽の養分をよく吸収します。伸びすぎてきた場合は、トリミング(カット)が必要です。カットした先端部分(新芽)を水に戻しておくだけで、そこからまた新しい個体として成長していきます。これを「差し戻し」と呼び、簡単に増やすことができます。
植える場合と浮かべる場合の違い
アナカリスは底床に「植える」方法と、水中に「浮かべる」方法のどちらでも育てられます。この二つの育て方には、それぞれ異なる特徴があります。
植える場合は、根が底床に張ることで水草が固定され、レイアウトを維持しやすいのが利点です。また、葉をしっかりと広げやすいため、光合成の効率が良くなる可能性が考えられます。
一方、浮かべる場合は、底床材(ソイルや砂利)がないベアタンク水槽でも育成できる手軽さが魅力です。メダカや金魚の産卵床として、あるいは稚魚の隠れ家としても機能します。ただし、水流で流されたり、水草同士が重なり合って下の方に光が届きにくくしたりする側面もあります。
| 比較項目 | 植える場合 | 浮かべる場合 |
| 手軽さ | △(植える手間がかかる) | ◎(水に入れるだけ) |
|---|---|---|
| レイアウト | ○(固定しやすい) | △(流されやすい) |
| 産卵床・隠れ家 | △(底床付近のみ) | ○(水中全体に広がる) |
| 光合成効率 | ○(葉を広げやすい) | △(重なると効率低下) |
| 底床材 | 必要 | 不要 |
アナカリスは活着できる?
アクアリウムにおける「活着」とは、水草が流木や石などの表面に根を張って定着することを指します。アヌビアス・ナナやウィローモスがこの性質を持つ代表的な水草です。
アナカリスに関しては、このような活着能力はありません。したがって、流木や石に固定しようとしても、そこから根を張って自力でくっつくことはないです。
ただし、アナカリスは茎の節々から白い根を出すことがあります。これは底床に植えた際に体を固定したり、養分を吸収したりするためのものです。浮かべている状態でもこの根が出ることはありますが、何かに活着する性質のものではないと理解しておくと良いでしょう。
育成に必要な日光はどれくらい?
アナカリスは比較的少ない光でも育つ、耐陰性のある水草です。室内水槽であれば、水草育成専用の強力なライトでなくても、一般的な水槽用LEDライトが1日数時間点灯していれば問題なく育成できます。
ただし、全く光がない環境や、部屋の明かりだけでは光量不足となり、弱ったり溶けたりする原因になります。窓際の直射日光が当たらない、明るい場所に水槽を置くことでも育成は可能です。
屋外のビオトープ飼育の場合、太陽光がよく当たる場所の方が成長スピードは格段に早くなります。しかし、あまりにも日光が強すぎると、特に夏場は水温が極端に上昇し、後述する「溶ける」原因にもなるため注意が必要です。
アナカリスが育つ適切な水温
アナカリスは適応できる水温の幅が非常に広い水草です。一般的に、約10℃から30℃程度の範囲であれば耐えることができます。
最も活発に成長する適温は20℃から25℃前後とされています。このため、熱帯魚水槽はもちろん、ヒーターを使用しないメダカや金魚の無加温水槽でも一年を通して育成しやすいのが大きな特徴です。
注意点として、低温には強い一方で、極端な高温には弱いです。特に真夏の日光が直撃する屋外容器などでは、水温が40℃近くになることもあります。このような環境が続くと、アナカリスは耐えきれずに溶けるように枯れてしまうため、日除けを設置するなどの対策が求められます。

アナカリスを浮かべるメリットと効果

アナカリスを浮かべることによって得られる具体的なメリット、特にメダカや金魚の飼育環境にもたらす良い影響や、屋外のビオトープで管理する際のポイントについてご紹介します。
光合成による酸素供給の効果
アナカリスを含む全ての水草は、光(照明や日光)が当たっている間、光合成を行います。光合成は、水中の二酸化炭素を吸収し、生体に必要な酸素を水中に供給する働きです。
アナカリスを浮かべることで、水面に近くなり、より効率的に光を受けられる場合があります。これにより光合成が活発に行われれば、水中の溶存酸素量が増え、メダカや金魚などの生体にとってより良い環境を提供できます。
ただし、前述の通り、浮かべたアナカリスが水面を覆い尽くすほど密集すると、下層部には光が届かなくなり、かえって光合成の効率が落ちる部分も出てくるため、適度な量に間引くことが大切です。
コケ防止への期待
アナカリスは非常に成長が早い水草です。この早い成長を支えるために、水中の栄養分、特にコケの発生原因となる窒素やリンなどを大量に吸収します。
この働きは「水の浄化作用」と呼ばれます。メダカや金魚のフン、食べ残しのエサなどから発生する富栄養化を防ぎ、結果として水槽壁面や他の水草に付着するコケの発生を抑制する効果が期待できます。
しかし、アナカリス自体の調子が悪かったり、成長が止まったりすると、逆にアナカリスの葉にコケが付着しやすくなります。コケに覆われると光合成ができなくなり、枯れる原因にもなるため、水草が元気に育つ環境を維持することがコケ防止につながります。
メダカや金魚水槽との相性
アナカリスは、昔から「金魚藻」と呼ばれるほど、メダカや金魚の水槽と非常に相性が良い水草です。
浮かべておくだけで、メダカが卵を産み付けるための産卵床として最適です。また、フワフワとした葉が茂ることで、生まれたばかりの稚魚や、他の魚にいじめられがちな弱い個体の隠れ家にもなります。
さらに、金魚は水草を食べることがありますが、アナカリスは成長が早いため、多少食べられてもすぐに新しい芽を伸ばします。適度なおやつ代わりにもなると言えます。前述の通り、低水温にも耐えるため、ヒーターを使わないメダカ鉢や金魚水槽にも安心して導入できる点も大きなメリットです。
ビオトープでの冬越し方法

アナカリスは耐寒性が高いため、屋外のビオトープやメダカ鉢でも容易に冬越しが可能です。水温が10℃を下回ると成長は鈍化、または停止しますが、枯れてしまうことは少ないです。
ただし、水面が完全に凍結し、氷の中に閉じ込められてしまうような状況が長く続くと、さすがのアナカリスもダメージを受けてしまいます。
雪国や寒冷地で冬越しさせる場合は、容器の水深を深くして底のほうが凍らないようにするか、発泡スチロールの箱に移すなどして、水が完全に凍結するのを避ける工夫をすると、より確実に春を迎えさせることができます。春になり水温が上がれば、また元気に成長を再開します。

アナカリスを浮かべる際の注意点

ここでは、アナカリスを浮かべて育てる際に起こりがちな問題点、例えば枯れたり溶けたりする原因や、水面に浮いてくる場合の具体的な対策、さらにおもりの選び方までを詳しく見ていきます。
アナカリスが枯れる・溶ける理由
丈夫なアナカリスでも、環境が合わないと枯れたり、葉がドロドロに「溶ける」ことがあります。主な理由はいくつか考えられます。
高水温
前述の通り、アナカリスは30℃を超える高水温が続くと、細胞が耐えられずに溶けてしまうことがあります。特に夏場の屋外飼育では注意が必要です。
極端な光量不足
耐陰性があるとはいえ、全く光が当たらない暗い場所では光合成ができず、やがて枯れていきます。
水質の急変・栄養不足
水槽を立ち上げたばかりの時期は、まだ水質が安定していません。また、水草の成長に必要な栄養素(特にカリウムなど)が不足していると、新芽が白化したり、葉が溶けたりすることがあります。
残留農薬
購入したばかりのアナカリスには、害虫駆除のための農薬が付着している場合があります。これが水槽内で溶け出すと、水草自体や、特にエビ類に深刻なダメージを与え、溶ける原因になることがあります。
浮かべた時に根が出ない場合
アナカリスを浮かべて育てていると、茎の途中から白い根が出てくることがあります。一方で、全く根が出ない場合もあります。
浮かべた状態で根が出ないこと自体は、特に心配する必要はありません。アナカリスは葉や茎の表面からも水中の養分を吸収できるため、必ずしも根による養分吸収に頼っているわけではないからです。
茎の途中から出る根は、主に体を固定するためや、養分吸収を補助する役割があります。浮かべている状態では、体を固定する必要がないため、根が出にくいことも考えられます。新芽が元気に伸びているようであれば、健康状態に問題はないと判断して良いでしょう。
アナカリスが浮いてくる対策
この見出しは「浮かべている」アナカリスが「浮いてくる」という、少し矛盾した悩みに関するものです。これは多くの場合、「植えたアナカリスが抜けて浮いてくる」か、「浮かべているが水流で散らばってしまい、意図した場所に留まらない」という状況を指していると考えられます。
後者の「浮かべたものが散らばる」対策としては、水流を弱めることが一つです。また、数本を束ねて、次項で説明する「おもり」を付けて沈める方法も有効です。これにより、水槽の底や特定の中層エリアにアナカリスの茂みを作ることができます。
もし「植えたものが抜けて浮く」場合の対策であれば、植え方にコツがあります。アナカリスの茎の下部にある葉をいくつか取り除き、その節が底床材にしっかりと埋まるように、やや斜めに深く差し込むと抜けにくくなります。
対策に使うおもりの選び方
アナカリスを束ねて沈めたり、植えたものが浮かないように固定したりする際には、水草用のおもりが便利です。
選ぶ際の最も重要なポイントは、「水槽に入れても安全な素材」であることです。アクアリウムショップやホームセンターの観賞魚コーナーで販売されている「水草専用のおもり」を選んでください。これらは、鉛が水に溶け出さないようにコーティングされているものや、セラミック製で無害なものが主流です。
100円ショップなどで売られている金属製の重りや、DIY用の鉛などは、生体に有害な物質が水中に溶け出す危険性があるため、絶対に使用しないでください。安全性が確認された専用品を選ぶことが大切です。
アナカリスを浮かべる育て方まとめ
アナカリスの育て方には、植える方法と浮かべる方法があり、その違いを理解することが管理の第一歩です。浮かべる方法は手軽ですが、環境が合わないと枯れる、または溶けることがあります。
溶ける理由としては、高すぎる水温や急激な水質変化、栄養不足などが考えられます。上手に育てるコツは、適度な日光(または照明)を確保し、メダカや金魚水槽の養分を利用することです。これらの水槽では、アナカリスの光合成による酸素供給の効果や、コケ防止も期待できます。
屋外のビオトープでは冬越しも可能ですが、水が完全に凍らないよう注意が必要です。浮かべた際に根が出ないこともありますが、茎葉から養分を吸収できるため、すぐに心配する必要はありません。アナカリスは流木などに活着できる水草ではありませんが、おもりを使って沈めることは可能です。水流などで意図せず浮いてくる場合の対策としても、おもりは有効です。
この記事で解説した、アナカリスを浮かべて育てる際の重要ポイントを以下にまとめます。
- アナカリスは浮かべるだけでも育成可能だが、植える方が光合成効率やレイアウト性は高い
- 適度な光と10℃〜30℃の水温を保ち、特に夏の高水温に注意する
- メダカや金魚水槽では産卵床や隠れ家、浄化作用など多くのメリットがある
- 枯れる・溶ける原因は「高水温」「光量不足」「栄養不足」「水質急変」「農薬」が主
- 浮いて散らばる対策には、水流調整や水槽専用のおもりが有効
これらの点を押さえて、アナカリスの育成を楽しんでみてください。


